あぁ 寂しかったの沙龍
ほんの数分でしょ
ちゃんと帰ってくるんだから
そんな風に心配するんじゃないよ
少し 情けなくもあるけど
そういう弱っちいところ
誰に似たかな
花母さんじゃ ないよね
母さんの側で暮らす
ひとりっこだからかな
動くおもちゃ
一度気になったら
もう目が離せない
でも 実は怖い?
沙龍の方に向かって来たら
腰が引けてるよ
そういうとこ ほんとびびりだね
凛々しいって言われるけど
そういうとこ 見かけ倒し
たしかに 弱弱っちくていいと
願ってはいたけど びびりとはなぁ
おおらかそうに見えるけど
さすが花の息子
ちょっとしたことで 神経質になるよ
そうなってグズグス言い出したら
もーとまらない
ついに 抱っこ
そこは花の指定席なのにぃ
ほんっと 赤ちゃんだよね
花母さんごめん
あとで交代ね
沙龍のテリトリーを
猫が 猫に追われて猛ダッシュ!
そんなの 見過ごせないよね
沙龍も庭を 猛ダッシュ!
でも スピードといい 迫力といい
猫にはかなわんなぁ
沙龍 本当に猫と出くわしたら
逃げないと エライ目にあうよ
沙龍 気合いで負けるから
なんだかその横顔
凛々しいぞ 沙龍
首から下げたパッグ
気に入ったみたいだね
おやつでもいれておこうか
自分のおやつは 自分で持つ
出来る男って 言い過ぎか
パン吉君を 持って来たんかい
それって
遊んでってサインだよね
遊んでってことは
投げて ってことだよね
投げて ってことは
パン吉君を くれなきゃね
はい まずはそこから
沙龍は おじさん顔だからね
首に手ぬぐい
そういうの 似合うよね
バンダナでも いいかな
散歩以外は首輪もなし
服もなし
おしゃれグッズもまったくなし
何かほしい?
希望はないかもしれないけど
そんなに嫌じゃないよね
何か考えてみようかな
梅雨にしてはさわやかだよね
朝晩は けっこう寒かったりする
だから
足への沙龍のあご乗せは
温かくて ふかふかして
実に気持ち良いよ
これが気持ち良い間は
まだ 夏にならないなぁ
しょっぱい系のお菓子って
対象外なんだね
興味がないものには
冷淡だよね
もちろん あげる気はないのでいいんだけど
その潔いきっぱりっぷり
甘いものも 辛いものも
お断り出来ない人間は
見習いたくあります
きゃー 沙龍にかまれている!
なんてことはないんだよね
人間だって いじめてるんじゃない
あんまり毛が抜けるから
ちょっと取っていただけ
沙龍はそれがいやで
大きな口を 開けてるだけ
でも そうは見えないか
平和的に解決したい
明日は本格的にブラッシングだよ